山登りさんのような雑誌、本
このところ生活系?雑貨系?雑誌が次々と発刊されていることにお腹がいっぱいになっていた私でした。
雑誌が大好きだったのに。
そしてここ最近は好きな数冊をのぞいては惰性で買わない(読まない)ようにしていました。
胸やけがこれ以上すすまないように。
(とはいえ、仕事で関わる場合、自分がちゃんとしていれば、それはそれ、なので、またちょっと話はかわってきますが。...と、苦しいフォロー?!苦笑;)
そんな中、ふと最近本屋さんで目にした雑誌。
<山と渓谷社>から出ている『wandel』(2号)という雑誌。(wandelとはオランダ語で散歩、散策の意味。)
ぱらぱらっと見て迷わずレジに向かって買って帰ったら、1号を姉が買ってありました。
(買った時には他の雑誌による胸やけ状態でちゃんと見ないでいたらしい...;。)
ーーー 散歩で見つける 身近な自然、愉快な毎日
表紙にそう書かれています。
どうしてこれは胸やけしないのだろう?
....そう考えてみてわかったこと。
それは山登りさんを対象にする<山と渓谷社>さんが作っているから?.....かな。
出ている人が誰かにもたれかかっているのでなく、すくっとひとりでちゃんと、かつ自然に立っている。
等身大の自分が、いいかっこしいでない日常の自分で登場している。
有名人を全面に出して、そういう媒介でものごとを紹介するとかはほとんどなしで、写真、絵、文章をその場に応じて絡めて、「これ、いいんですよー。私はこれ、こういうふうに使ってます。こんなふうにしてます。役立ってます。よかったら...使ってみます?やってみます?」くらいのトーンでものや人や場所が紹介されている。
ブランドとかはやりとか誰々さんが使ってるとか関係ない。
さらりとしている。
隙間がある。
それは最後は自分ひとり(の責任)になる山登り、それぞれが独り立ちしていても、道の途中で出会えば見知らぬ人でも「こんにちは」と挨拶して通りすぎるような、そんなさらりとしたぬくもり。
教科で例えていえば(家庭科系が多い中)、この雑誌は体育と地理と生物と国語でできているみたい。
大好きだ!とわかった雑誌。
関われたら嬉しいな。
ところで今読んでいる本、寺田寅彦の随筆集『柿の種』もこの雑誌に似た匂いを感じます。
科学者でありながら夏目漱石との交流もあって文学的でもある彼。
科学者、といっても決して科学万能主義者ではなく、生活者として日常の中の身近な不思議を研究していた彼。
大正後期〜昭和初期のものなのに、今でも全然時代遅れの話になっていなくて、客観的な視点をちゃんと持っていて、鋭く、ほどよく温かみがありつつもすくっとひとりしっかり立っている文章(内容)、ものの見方、なのです。
理系と文系をほどよく持ち合わせている感じ。
今、大好きな本です。
- 作者: 寺田寅彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1996/04/16
- メディア: 文庫
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