ケストナーさん、反省します。

jubisapo-chiro2007-08-02

図書館で借りたケストナー『五月三十五日』


主人公の男の子がおじさんと馬と南洋に出かけた途中で出くわしたのは、


なまけものの国。(ニワトリがハムつきの目玉やき卵を産んでいる)
さかさの国。(こどもがおとなを教育している)
電気の都市。(歩く必要もないくらいに何もかも電気じかけで自動的にできている)
........................



ケストナーさんはほんとうのことしか書いていない。」
って 、ケストナーファンのいしいしんじ(そして私はいしいしんじファン)が言ってたっけ。


70年あまり前に書かれたこの作品は、おそろしいまでに今の世の中をぴったんこしてる。
(っていうか、その当時にすでにあったことが、今は より大きくなっちゃんてるんだね。)


ケストナーさんは現実をかくさない。
ありのままの現実をちゃんと見なさい、と言う。
そして大事なのは
『反省すること』、と。


反省できる人は心がしなやかでいいなあ、って思う。
人間、身も心も硬くなったらおしまいだからね。(事実、死んだものは硬く、動かないからね。)






ケストナーさんの本は小難しい、説教臭い?
それがそうならないとこが素晴らしい!
文章、そしてこの挿し絵にあふれるゆるやかさがあるからねっ。
挿し絵ってだいじ。
本の魅力って、そういうとこにもあると思う。